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  • 伊勢本 ゆかり

人が集まる中東の街ドバイ


埼玉県とほぼ同じ大きさのドバイは、首都を有するアブダビ首長国に次ぐ首長国。アラブ首長国連邦を構成する7首長国の一つだ。ドバイは原油の埋蔵量が少ないことを早くに認識し、観光と周辺地域のハブとしてのインフラを整備、経済特区の設置を積極的に進め、いわゆるオイルマネーに頼らない独自の経済基盤を確立してきた。

ビーチリゾートとして始まったドバイ

旅行先として日本で知られるようになるよりもずっと前から、ドバイは欧州人の避寒リゾートとして人気のデスティネーションだ。ロンドンから直行便で約7時間、英語が通じて気候も良く、治安も良好なドバイは、日本人にとってのハワイのような存在と聞けばイメージが湧くだろう。砂漠と同じ細かい白砂のビーチに1990年代後半から次々とホテルを建設、中東では数少ないビーチリゾートとしての地位を手に入れた。2001年に発表された当時、人々の度肝を抜いたヤシの木型人工島。これはドバイが誇る美しい海岸線を何とかして増やすよう首長から命じられて計画したものと言われており、実際一つ目の島「パーム・ジュメイラ」の完成によって、海岸線が78キロメートル増えた計算になる。

観光シーズンは365日

元来オフシーズンとされてきた、猛暑の夏や断食月にも今や旅行客がいっぱいだ。ドバイのホテルでは屋外プールに冷水を循環させているので、真夏に気温が40度を超えてもプールは冷たく快適。温水プールと逆の発想だが、真夏の砂漠で冷たいプールを謳歌できるのだから贅沢な話だ。断食月には、この時期ならではのご馳走を楽しめたり、ショッピングモールが夜中まで営業時間を延長したりと、期間限定の特別感と、ホテル内では日中でも飲食が可能といったフレキシブルな面を政府観光局が強調。イスラムの文化に触れる絶好の期間としてアピールした結果、観光オフシーズンはもはや存在しないも同然だ。

増え続けるアトラクションと若い国が持つパワー

他にも、砂漠に作られた緑のゴルフコースの数々、人工雪で作ったスキー場、賞金額世界一の競馬、各種スポーツ大会、食のイベント、芸術祭などを用意し、街全体を多角的にプロモーション。さらに年間を通じて商用展示会や国際会議を開催し、ビジネス客も呼び寄せている。巨大なドバイ空港は、文字通り1日24時間世界各国からの人々を迎え入れている状況だ。

史跡も少なく、観光資源に恵まれていなかった国でありながら、オフシーズンをアトラクションに変える機転や、無いものは造り上げていく経済力を発揮し続けるドバイ。建国からまだ50年と経たない若いこの街を訪れると、ひたすら前進する力を感じるとともに、人々が集まり来るのも納得がいく。

(書き下ろし)


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