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  • 板坂 真希

茶葉の漬物ラペットゥ 伝統食がモダンスナックに変身


民主化が進んだことで、海外から様々な情報が急激に流れ込み、食文化も大きく変わりつつありあるミャンマー。そんな中、長い歴史を持つ伝統食品、茶葉の漬物「ラペットゥ」に新たなアレンジを加えた新スナックが登場。ヤンゴンで人気を呼んでいる。

(写真:内部を放射状に区切った、専用の丸い漆器に入った 伝統的なラペットゥとトッピング)

ミャンマー人は茶葉を漬物にして食べる

ラペットゥは、茶葉を漬け込んだものにピーナッツ油やゴマ油、ニンニク、ゴマなどを和えたものだ。ビルマ語で「ラペッ」は「お茶」、「トゥ」は「和える」を意味する。お茶の出がらしそっくりな見た目の食べ物で、日本にあるミャンマー料理店では「お茶の葉サラダ」と訳すことが多い。

よく似た食べ物は中国雲南省の一部やタイ北部にもあるが、ミャンマーほど日常的に食べる地域はない。干し海老や揚げ豆などを添え、お茶請けとして来客に出したり、おかずとしてごはんにのせて食べることもある。

歴史はバガン王朝(849~1298年)時代までさかのぼることができ 、当時の王宮にはラペットゥを持って王のお側に控える専用の召使までいたとか。その頃は塩と油くらいしか入れていなかったが、時代とともに混ぜる具材の種類が増えてきた。

ニューバージョンは豪華トッピング

2014年春頃に爆発的にヒットしたラペットゥの新スタイルは、もはや茶葉の漬物の方がオマケにみえるほど。発泡トレー にラペットゥを敷き、その上にトウモロコシやスライストマト、魚の干物などのトッピングを、客の好みに合わせて山盛りにのせるというものだ。屋台も、店先に積み上げたトウモロコシ粒のせいで、一見するとトウモロコシ屋に見える。

1食500Ks(約45円)とお手頃価格だが、1皿食べるだけでお腹がいっぱいになるボリュームだ。一時はヤンゴン中に屋台があふれるほどの人気ぶりだったが、今はそれも落ち着き 、すっかりひとつの食文化として定着している。

どれほど国際化が進み、海外文化が流れ込んでこようと、伝統食は案外、生き残るものだ。変化を受け入れながら1000年を経て今なお、ブームとなりえるミャンマーの茶葉の漬物に、その良い例を見た気がする。

(書き下ろし)


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